吾身を三省す〈傘寿を迎えて〉
祖先から与えられた有形無形の資産を後世に継承し、 未来への道を拓く政治の
役割は万古不変である。
鼓腹撃壌(こふくげきじょう)の故事を紐解けば、表に出なくても、
たゆまぬ政治の努力が地域の幸福を招き、物言わね民衆の要請に応える。
千載に憂いを残さぬ使命感が政治に携わる者を動かす原動力でなければ
ならない。
マックス・ウエーバーは、政治とは、 「情熱と判断力を同時に用いて、
堅い板に力をこめてだんだんと穴をくりぬいていく作業」だという。
まさに至言である。
何事も為そうとせず消えてゆく政治家は数知れないが、少なくとも一定の期間、
政治の舞台に身を置く政治家は、何を成したか、何をやり遺したのかを猛省する
必要がある。
同時に、ポピュリズムに浸り、事なかれ主義に陥っている若き政治家を見るに
つけ、残念でならない。
焦土からの復興と経済発展を牽引した先人の知恵と努力を学び、
東奔西走し汗をかいて地元の発展に寄与しないのならば、住民代表としての
存在意義はない。
広島のリーダーとして負託された以上、先人が営々として築いた資産を継承し、
人々の幸福に貢献する使命をはたすほかはない。
来年は被爆八十周年を迎える。
ただ唱えるのではなく、責任をもって世間に冠たる平和首都の実現図るため、
志高い若き政治家とともに果敢な挑戦を続けたい。
2024年10月28日